メッセージ

2007年1月20日

いつの間にか松飾も取れて梅の蕾が膨らみだしました。
迎えた新年も二週間が過ぎ街は通常の姿で動いています。
僕の新年は家に散乱しているダンボールやカルトンの山に囲まれて始まりました。
昨年末にやっと出来上がった新居に暮らしだしたのですが 未だに荷物が片付かず仕事も本来の形で進んでいません。
長い人生にはこんな時期もあるのでしょうが色々考えてしまいます。

昨年4月、20年間住み続けた家を壊して新しい家を建て始めました。
完成までの7ヶ月、近くの東馬込のマンションに仮住まいをして アトリエも西大井の仮アトリエで仕事をしていました。
不便な事も色々ありましたが生息する環境が変わる事で 今まで見えなかった物が見えることもありました。
窓から風に乗って舞い入ったアザミの綿毛、仮住まいの廊下に映る光のライン、 アトリエ近くの空き地になびく草、色々作品になりました。
どんな植物でも育つ場所が違うと同じものにならないように 人も過ごす環境が変わるとそこから出てくるものも変わるのです。
でも一年のうちに2度の引越しは疲れました。

20年間暮らした家には20年間の思い出と一緒に物があふれていました。
その整理をしながら物を捨てられない自分のことが良く分かりました。
法然が「捨てて捨てる事」それが大事だと話したのを思い出します。
物だけでなく捨てることは生きていく上で大事な作業です。
それが上手くできない僕は生きる者としてまだまだなのでしょう。
仕事は相変わらず香りの作品を描いています。
今年の夏に上記の作品も含めて銀座・並木通りの「養清堂画廊」で発表する 予定です。近くなったらまた告知いたしますので見ていただきたいと思います。
では始まった新しい年、皆さんお元気で楽しくお過ごしください。

                            笠井正博

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