メッセージ

2007年6月10日

昨今の巷での出来事を眺めていますと、この星の行く末は永くないような気がします。
炭酸ガスの話にしても自分たちの利益の事ばかりを考えて根本的な対策は何も進んでいないようです。人は必ず死を迎えるのですが、その事を通常深く考えないように脳は設定されているようで、同様に地球の最後の姿も想像出来ないようです。この事に限らず最近の悲劇は人間の想像力低下が原因のような気がします。想像力はまず経験して感じることから始まります。人には生まれ持った力、感覚というものがあります。たとえば赤い色を見ると暖かさを感じ短調の和音を聞けば悲しくなります。これは教えられてそのように感じるのではありません。僕らの身体に設定されたものが動くのです。傷ついた人を見れば助けたくなり、赤ちゃんを見れば抱き上げ守りたくなるのも同じ事です。もしそうしなければどうなるのか考えるのが想像力、それが発動できれば世の中のかなりの悲劇は回避できます。現代の社会は資本主義の徹底で効率重視の考え方で動いています。そんな世界に生きていると自分の持っている感覚や想像力で物事を決めていくことは難しくなってきます。僕の仕事は絵を描くことです。感覚と想像力なくしては成り立ちません。効率や利益率を考えていては何も出来ない仕事です。今僕が描きたいものを出来るだけ正直に画面に唄えたらといつも考えて仕事をしています。そしてそれを見てくれた方たちの感覚や想像力に少しでも刺激になればと思います。前回もお話したように今は香りを描いています。これから始まる夏にいくつかの画廊で最近の仕事を発表します。お時間がございましたら見て感じ、そして想像していただきたいと思います。

                            笠井正博

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