メッセージ

2008年6月25日

昨秋収穫した朝顔の種、今月始めにプランターに蒔きました。
いつの間にか双葉が出て蔓を巻きだし夏の準備を始めています。
半年間空き瓶の中で待っていた種は水分と光と温度の刺激に反応して動き出したようです。
こんなに小さなマイクロチップのような種、外界からのスイッチオンで起動しだす姿は不思議で感動的です。
人間の身体の中にも生まれたときから沢山の種がまかれているような気がします。
そんな身体の中の種が様々な刺激を受けてその時々に色々な発芽して人は行動を起こすのだと思います。
考える種、歌う種、踊る種、恋する種、戦う種、競う種、愛する種・・・。
僕に関して言えば描く種が発芽してもう30年以上の時が流れいまだに蔓を伸ばしています。
最近描いているのは「かおり」。
五感の中でも儚い感覚の嗅覚で感じたイメージを描いています。
香りには不思議な作用があります。
食欲が出る匂い、眠くなる匂い、攻撃的になる匂い、落ち着く匂い。
そんな効果を利用したテラピーもあるようです。
リヒャルト・シュトラウス「バラの騎士」の中にはペルシャのバラの香油という香りが主人公を恋に落とします。
バラの香りを絵にしながらそんな歌劇を思い出し作品のタイトルにしてみました。
この絵も含めて9月3日から10日まで渋谷の文化村ギャラリーで発表します。
会期中7日(日)14時からピアニスト深町純氏の演奏があります。僕の絵を見ながら即興でピアノを奏でてくれます。香りが絵になりそれが音になる。その音と絵で皆さんの心の種を発芽させに来てください。お時間のある方は是非いらしてください。

                            笠井正博

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