メッセージ

2008年10月29日

文化村ギャラリーの個展もお蔭様で無事終了し、またいつも通りの生活に戻っています。
会場にいらしてくださった皆さんありがとうございました。
大きな会場で一週間作品を眺め、来てくださった方々とお喋りしてアトリエでは気が付かなかった事や次への展開が見えてきました。今は「バラの香り」の連作を引き続き制作しています。その中で版画制作上少し変化がありました。

絵の具を油性から水性に変えようとしています。
それは知人からの紹介でセリグラフ工房を見学させてもらい最近の水性インクの良さに驚いたところから始まりました。以前の水性インクは発色が鈍く、刷った紙は水分で変形、製版は大変と障害がありました。しかし現在はかなり改良が進んで油性インクとほとんど遜色なく刷れるようになりました。僕のアトリエでもアシスタントに助けられながら実験を繰り返して何とか作品が刷れそうなところまでこぎつけました。
一般の方は何故今さらインクを水性に変えるのかと不思議に思われるかもしれませんが、油性インクで作業中に発生するガスが身体に良くないのです。水性インクからもアクリル絵の具が乾く時のような匂いがしますが危険はありません。
もう30年近くもこの仕事を続けてきたので身体はかなり影響を受けていると思うのですが後もう少し制作を続けたいので思い切って変えようと思いました。
これから出てくる作品は水性絵の具で刷ります。これからどの様な変化があるか見ていてください。長く続けてきた事を変えるのはなかなか大変ですが新しい展開があるかも知れません。そんな事に期待しながら日々アトリエで仕事を続けております。

変わるといえばアメリカに端を発する金融恐慌で株価や為替が大きく変わって世界中が大騒ぎしているようですが、これは人間が考え出した貨幣経済、金融システムの中で辻褄が合わなくなっただけで何とか帳尻を合わせるでしょう。しかしながら北極の氷が小さくなったり、東京湾の水位が上がったり、ブドウ畑の収穫が毎年早まったりしている変化はそう簡単に元へは戻せない気がします。10月末の我が家の朝顔もまだ小さな花が開いています。温暖化は結構深刻な状態なのかもしれません。

後数日で11月、もたもたしながら制作していますが「香り」のシリーズは少しずつ形になってきています。来年7月の養清堂画廊の個展では「バラの香り」の連作が見ていただけると思います。越前和紙に水性絵の具上手くいくと良いのですが・・・。
では皆さん、流感などに気を付けてお元気でお過ごしください。

                            笠井正博

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