メッセージ

2011年11月2日

トルコの地震、タイの洪水、ヨーロッパの経済危機、そして治まらない福島原発・・・
以前に記した古代マヤ暦の話が冗談ですまなくなるような昨今の地球、油断していれば 空から衛星の破片だって降ってきます。
そんな空を眺めているとこの時期の夕刻の色は変化が美しく地球に暮らす喜びを感じます。
僕が住む町からは富士山のシルエット右肩辺りに日が落ちて紫色の空に一番星の金星が輝きだします。
空が紺色になると東京の空にも秋の星座が上ってきます。
夜空に輝く星たち、実は何万年も前の姿を見ているそうですが未だに釈然としません。

音に速度があるように光にも速さがあるようです。
それを越える速さの物質は理論上存在しない事になっていましたが 先日ニュートリノなる素粒子がほんの少し光よりも早いという実験結果が報告されました。
時空旅行が真実味を帯びてきました。大好きな「Back to the future」の世界です。見てみたい過去や未来の事を考えていると楽しくなりますが僕が想像できるのはこの程度、サイエンスフィクションの域は超えられません。

30年ほど前渡仏のために初めて乗ったロシアの飛行機は僕にとってのタイムマシンだったような気がします。もちろん時空を越えたわけではありませんが着いたパリの街は世間知らずの僕に過去も未来も見せてくれました。特にルーブルや博物館で見たギリシャ・ローマの彫刻や宝物、中世のタピストリー、フランドルの絵画は色々な時代にタイムスリップさせてくれました。そして歴史を超えて残ってきたものは個人の主義主張などではなくて究極に美しい色や形だということを僕に教えてくれました。
そして時代を超えて美しいものは人に生きる喜びを与え続けてきたのだと感じました。
僕も生涯に一点ぐらいはそんなものが描けたらと思い続けて今日もまた紙を汚しています。

とりとめも無い事を書いてきましたが本当に伝えたかった事は今夏暑い中を各地の展覧会場へ足を運んでくださった方々への感謝の気持ちです。震災の後で心配でしたが何時も以上に沢山の方が見てくださり本当に嬉しく思っています。
今回発表しました「イスタンブールの香り」が先月クロアチアのビエンナーレで特別賞を受賞いたしました。 www.splitgraphic.hr こんな事があるのも何時も暖かい目で見てくださる皆さのお陰と感謝しております。

これから季節は動いて寒さがやってきます。皆様お体御自愛の上お気持ち爽やかにお過ごしください。
                            笠井正博

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