メッセージ

2019年9月23日

地軸が23.4度傾いていることから生じるこの国の四季ですが夏の暑さが年々厳しくなるように思います。化石燃料から排出された二酸化炭素が地球を覆い気候をかえているのも原因の一つだと思います。国際社会は2015年にSDGSと地球温暖化防止のパリ協定に合意しましたがこの星がどこまで耐えられるかは誰にも分かりません。

本年の暑さも大変でしたがそんな中を広島、東京、大阪の個展会場においで下さった方々
本当にありがとうございました。お陰様で何とか無事に終了することが出来ました。
前回も記した通り60年以上も生かされていますと様々な出会いや別れを経験します。
それによって物の見え方感じ方も変化し、時の無常、生命の不思議など以前より
深く考えるようになりました。描く画面も変化して今回見ていただいた作品のテーマは
「生命、宇宙の始まり」。勿論そんな場面や風景を見たことはないので僕が日々生きる中で
出会った物の中に感じた宇宙とか生命の始まりを描きました。

一粒の水滴にも天と地が含まれていると唄ったのはブレイクですがこの世界で見られる事象から様々なイメージが浮かびます。この世界はメタファーに満たされています。
39億年前にこの星に海が誕生し遠い宇宙から飛来した流星が生命の種を抱えて海に飛び込み我々の歴史が始まったことになっています。今その海を人口の化石、プラスチックが
覆い始めています。この物質は有史以来なかったもので微小化したものは雪や雨に混じり
世界中に広がっています。温暖化同様これもこの星の生物に大きな影響を与えています。
沢山の生物種の中の一つである人類がこの星の生態系を大きく変え現在100万種の
生物が危機に瀕しているそうです。そろそろ本気で考えねば終焉は遠くないでしょう。
本来我々人類は自身ではどうにもならない条件に制約されて生かされています。
冒頭で述べた無常な時間、故郷である海という自然、これらははるか前から存在して
自分勝手に変えられるものではありません。

しかしながら協調より単独行動を目指すリーダーの出現で「自分が死んだあとはどうでも良い」といった自分の後に続く世代への責任を欠いた感覚が環境破壊を生んでいると思います。そんな今何をすべきなのか?ITやAIなどの新技術で対処するのも一考ですが
今の社会の在り方を変えていくのが先決だと思います。僕のような絵描きに力はありませんがせめてこの星が我々の母だと思い出すきっかけぐらいは提示できるかもしれないと
思いながら今日も描いています。今日は秋分、これから美しい季節が始まります。この星に
生まれた幸せを一緒に享受しましょう。

                            笠井正博

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